ビールといえば「黄色と白色」と答える人が多いですが、実際には世界中で多様な色のビールが存在します。本記事ではビールの色が決まる要素やクラフトビールの多様性を踏まえ、今後のビール観について意見をまとめます。
はじめに
「ビールといえば何色?」と聞かれて、多くの人が思い浮かべるのは 黄色い液体と白い泡 ではないでしょうか。
確かに、日本で一般的に流通している大手ビール(ラガーやピルスナー)は黄金色の液体に白い泡を伴うものが主流です。
しかし、クラフトビールの台頭とともに、ビールの色は多様化しており、「黄色と白」だけでは語れない時代が来ています。
本記事では、ビールの色を決める要素を整理しつつ、今後「ビール=黄色と白色」という固定観念が過去のものになるかもしれない、という私の意見を述べていきます。
【結論】ビールには多種多様な色がある
まず最初に強調したいのは、ビールは必ずしも黄色とは限らないという事実です。
- 黄金色のピルスナー
- 琥珀色のアンバーエール
- 真っ黒なスタウトやポーター
- 赤みを帯びたレッドエール
- フルーツを使ったピンクや紫のビール
など、そのバリエーションは実に豊富です。
例えば、キリンのクラフトブランド「スプリングバレー」シリーズだけでも、黄金色の定番から濃色タイプまで幅広い色が揃っています。
つまり「ビール=黄色と白色」という認識は、あくまで日本で親しまれてきたピルスナー型ビールのイメージに過ぎません。
【事実】ビールの色はどうやって決まるのか?
それでは、ビールの色は何によって決まるのでしょうか。
大きく分けて 水の硬度・麦芽の種類・副原料 の3つが主要な要素です。
① 水の硬さ
水には「硬水」と「軟水」があります。
- 軟水:ミネラル分が少なく、すっきりとした黄金色のビールに向く
- 硬水:ミネラル分が多く、赤褐色の濃いビールを生みやすい
日本の水は基本的に軟水のため、黄金色のラガービールが主流になったのは自然な流れです。
② 麦芽の種類と焙煎度合い
麦芽にも淡色麦芽から濃色麦芽までさまざまな種類があり、焙煎の度合いによって色合いが変わります。
- 淡色麦芽 → 黄金色に近いラガーやペールエール
- 焙煎麦芽 → 黒ビールやアンバーエール
黒ビールは「黒い麦芽を使う」または「焙煎によって色を濃くする」ことで作られています。
③ 副原料
副原料の影響は絶大です。
ビールは基本的に「麦芽・ホップ・酵母・水」で作られますが、ここに果物やスパイスを加えると色が一気に変わります。
- ストロベリーやチェリー → 赤色
- ブルーベリー → 紫色
- 抹茶やハーブ → 緑色
クラフトブルワリーが副原料を積極的に取り入れることで、カラフルなビールが市場に登場しているのです。
国際的なビールの色規格
ビールの色は主観ではなく、実は 国際的に測定・分類 されています。
代表的なのが以下の2つです。
- SRM(Standard Reference Method):アメリカで使われる色の標準指標
- EBC(European Brewery Convention):ヨーロッパ基準の色指標
数値が低いほど淡い黄金色、高いほど黒に近づきます。
たとえば、ピルスナーはSRM 2〜4、スタウトはSRM 30以上といった具合です。
このように、ビールの色は世界的に科学的に測定されており、決して「黄色だけ」では片付けられないのです。
【意見】「ビール=黄色と白色」と答える時代は終わる
上記のように、ビールの色は水・麦芽・副原料の選び方で大きく変わります。
そして近年のクラフトビールブームにより、多彩な色のビールが当たり前になってきました。
今後は「ビール=黄色」というイメージはますます相対化されるでしょう。
- 「私は赤いビールが好き」
- 「緑色の抹茶ビールを飲んだことがある」
- 「黒ビールこそビールの王道」
といった声が増え、ビールの色をどう答えるかは 個人の経験や嗜好次第 になると思います。
つまり、「ビールの色は?」という問いに対して 一つの正解はなく、多様な答えが存在する時代 がすでに始まっているのです。
まとめ
- ビールには黄色だけでなく、赤・黒・琥珀・緑など多彩な色が存在する
- 色を決める要素は「水の硬度・麦芽の種類・副原料」
- 世界的に「SRM」や「EBC」といった指標で色が分類されている
- クラフトビールの普及で「ビール=黄色と白色」という固定観念は崩れつつある
見慣れない色のビールに出会ったとき、私はいつもワクワクします。
皆さんもぜひ、新しい色のビールに出会ったら「色違いポケモンを見つけた!」くらいの気持ちで一杯飲んでみてください。
未来の「ビールの色」は、あなたがどんなビールを選ぶか次第です。
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